宮城谷昌光著「管仲」

管仲〈上〉 (文春文庫)

宮城谷 昌光 / 文藝春秋


管仲〈下〉 (文春文庫)

宮城谷 昌光 / 文藝春秋



普段ほとんど読書をしない私が管仲という人物の生き様に惹かれて、2冊の文庫本を2日で読んでしまいました(笑)。
なぜ「管仲」という人物に興味を持ったかと言うと、以前「正史三国志5 蜀書」を読んだ時、諸葛亮を例えていうと「管仲・楽毅のような人」という表現が何度も見られたので、管仲とはいかなる人物やと思い、読んでみたわけです。

しかしかなり熱中して読んだがその「あとがき」以降の記述にて、この作品が「正史三国志」に対する「三国志演義」のような「フィクションを交えた歴史小説」であることを知り、非常に魅力的だった女性の登場人物のほとんどが作者によって命吹き込まれた存在であったことも知りました(笑)。特に前半部分、季燕との婚約破棄に至る部分などこちらが叫びたくなるような狂おしい気分にもなりました(笑)。
また、前半の非常にドラマチックな生き様を見せたストーリーでしたが、後半(公子糾に仕えて以降)は史実に則った話になり、少し淡々とした雰囲気が流れるような気もしましたが、しかし管仲が鮑叔の仕える公子小白に矢を向けるシーンなどは、息詰まるような雰囲気を感じました。

この小説はフィクションが混じっているとはいえ、管仲という人物からは学ぶことが多いと思いました。例えば「環境が人を教育する」「個が内蔵している力は環境が誘導してくれなければ、異彩を放つことはできない」という思想とか、「およそ国を治むるの道は、かならずまず民を富ます」と言うのもこの「環境が人を教育する」と言うのが根底にあることなのかもしれないと思います。
後の方にあった老人と鹿のエピソードも、民の声に常に耳を傾けた宰相であることが伺えるエピソードです。





しかし、この宮城谷氏による小説「管仲」は、アニメ化するには非常に良い素材だと感じるのは、私が腐っているからだろうか(笑)
思うにこの「管鮑の交わり」と言うのは単に友情に篤いというのではなく、ある時は相手を師と見、ある時は相手をライバルと見て、お互いに相手を「越えられない存在」と認めるような間柄のことと思うが、それは例えばラインハルトとキルヒアイスとか、ロイエンタールとミッターマイヤーのような友誼関係を思い出させる所があります。
この「管仲」がアニメ化されるのを期待したいと思います。(笑)
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by AppleTeaKobo | 2009-06-14 22:38 | 日記