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「屍者の帝国 The Empire of Corpses」

Project Itoh」第1弾劇場アニメ、「屍者の帝国」見てきました。
以下、ネタバレを含む内容になりますので、まだご覧になってない方はご注意を。
確かに言えることは、この作品は家でテレビで見るより劇場の大スクリーンで見た方が良いと言うことと、今年は細谷佳正の年だと言うことですw








いやーーーー、すっっっごいハードな作品でした。普段ホラーみたいなの見ない私、よく頑張ったと思うw
時は1800年代、死者に擬似霊素を入れることで死体をよみがえらせて使用する世界の話。
主人公である医学生のワトソンは、亡くなった親友のフライデーの体を使って生前彼の考えていた「魂」のありようを証明しようとフライデーに擬似霊素を入れて屍者化するところから始まるのだが、しょっぱなから首を切り開いて管突っ込んで…というエグい映像から始まります。
最初に屍者化に成功したヴィクター・フランケンシュタインの手記を探しに行くのだが、その手記の内容がまたエグい。カラマーゾフが友人であるニコライを生きながら屍者化する場面とか、それ以前にニコライたちと旅する場面がなかなか雰囲気良かっただけに辛い。そしてカラマーゾフからヴィクターの手記の破棄を依頼されたにも関わらず、ワトソンはそれが目の前に現れると破棄するのではなくフライデーにその内容を解析させようとする。禁断の技術を前にして耐えられないのは科学者のなせる業か。そして破棄されなかったヴィクターの手記がもたらす世界的な屍者の暴走。Mは人間を屍者化することによって「争いの無い世界」を実現しようとするのだが、これも極端な究極の選択。そのMを止めるために戦うワトソン達。そして最後はヴィクターの手記の内容をワトソンの脳に封印して自ら屍者化?してフライデーとの旅の記憶を消す。

実に哲学的な内容の作品でした。そしてエグいw
もう死者の尊厳も何にも無い話ですねwでも死体じゃなくてロボットに置き換えて考えてみると、この世界も現代の我々の頭で理解出来なくもない世界かもと思う。

映像の作りは素晴らしいものでした。背景は竹田悠介氏の美しい映像、音楽も池頼広氏による美しい音楽、話の内容がエグいだけにより美しく心に響いたのかも。
音響効果も、屍者を誘導する低い鐘の音の響きがまた素晴らしく、ラストに登場するパイプオルガンはみなとみらいコンサートホールのものらしい。大迫力の素晴らしい音。
CGも魂が集められたり戻って行ったりする場面をよく表して、実に美しい。redjuiceによるキャラクターデザインも美しい。ハダリー最高に美しかった。

こんなに美しい映像作品ですが、内容は視聴にすごく覚悟のいる作品だと思って見て下さいw
by AppleTeaKobo | 2015-10-14 16:22 | アニメ・マンガ

最近はアニメや読書の感想中心になっています。


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