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「泣き虫しょったんの奇跡」読了

泣き虫しょったんの奇跡 サラリーマンから将棋のプロへ
瀬川 晶司 / 講談社





瀬川さんがプロ入りされた後いろいろ本が出版されましたが、私としては是非「瀬川さんの言葉で書かれた物」を読みたいと思っていました。
今まで瀬川さんがプロ入り希望を将棋世界で表明されてからプロ試験に合格されるまで密かに見守ってきたつもりですが、それらは「点」で、この本を読むことによってその「点」と「点」が「線」で結ばれたような気がしました。
本の内容は主に瀬川さんの思い出話をつづった物ですが、瀬川さんでなければ語れないいろんな「思い」がつづられています。
しかし、私がこの本を読んでショックだった部分があります。それは瀬川さんが奨励会退会後アマ強豪と触れ合うようになる中でそのような人達の多くが「将棋界の未来」を憂いているのに対し、奨励会員やプロは「自分が勝つことしか考えていない」という所でした。
すべての奨励会員やプロがそうとは思いませんし、奨励会員は連盟の「正会員」ではありませんから意見を述べることも決定に参加することも出来ず、とにかく「正会員」になるべく目の前の1勝を上げなければならない訳ですから仕方ないのかもしれませんが、足元でこけないように注意して足元ばかり見ている結果、自分達の歩いている方向がどういう方向を向いているのかを広い視野で見ることが出来なくなっているのかなと思いました。
名人戦主催問題で揺れている将棋界ですが、今週棋士総会も行われる予定になっていますが、物言えぬ奨励会員のためにも、明るい「将棋界の未来」が見える結果が出るようにお願いしたいと思います。

追記。
私は読み終わったので息子の部屋の本棚に置いておいた所、昨夜3時間ほどで全部読んだそうです。(@_@;)
by AppleTeaKobo | 2006-05-22 07:52 | 将棋

最近はアニメや読書の感想中心になっています。


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